この記事でわかること
第1章: この実験は何を検証しているのか
本記事は「今日の買い推奨銘柄」を提示するための投資情報記事ではありません。
AIが毎朝株式候補を選定し、翌営業日に実際の寄り付き・引け値でその的中率を検証する。そして蓄積したデータをもとにAIが選定プロンプト自体を書き換えていく、という「予測精度が自律的に改善していくプロセスそのもの」を記録する実験です。
実験の仕組み
- 予測フェーズ: 毎営業日の朝、Web検索で各銘柄のファンダメンタルズ・テクニカル・材料を調査し、候補プール(約50銘柄)からAIが銘柄を選定する
- 取引ルール: 「前場寄り付きで買い、後場引けで売る」1日取引のみを想定。常に上昇(順張り)方向への予測とする
- 検証フェーズ: 翌営業日にWeb検索で実際の始値・終値を確認し、始値より引け値が高ければ「的中」、低ければ「不的中」と機械的に判定する
- 改善フェーズ: 有効検証件数が一定数に達した段階で、判定パターンを分析してプロンプトに改善ルールを追記する
このサイクルを繰り返すことで、AIの選定精度がどのように変化するかを追っています。
第2章: 累積勝率レポート(7月30日時点)
2つのユニバース(銘柄候補の価格帯)を並行して検証しています。
低位株ユニバース(単元10万円以内)
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 有効検証件数 | 15件 |
| 的中件数 | 8件 |
| 的中率 | 53.3% |
| 平均リターン(全体) | +0.55% |
| 平均リターン(的中時) | +4.46% |
| 平均リターン(不的中時) | -3.90% |
広範囲ユニバース(単元100万円以内)
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 有効検証件数 | 9件 |
| 的中件数 | 6件 |
| 的中率 | 66.7% |
| 平均リターン(全体) | +1.99% |
| 平均リターン(的中時) | +4.45% |
| 平均リターン(不的中時) | -2.93% |
どちらも「ランダムに選んだ場合(対照群)」と有意差があるとは言い切れないサンプル数ですが、的中時の平均リターン(+4.45〜4.46%)が不的中時の損失(-2.93〜3.90%)を上回っている点は注目に値します。
市況別の傾向(低位株ユニバース)
| 日経平均の動き | 選定銘柄の的中率 | 観察 |
|---|---|---|
| 上昇日 | 60%(3/5件) | 地合い良好で個別材料が機能しやすい |
| 下落日(小幅 -1.49%) | 80%(4/5件) | 強い個別材料が地合いを上回った |
| 下落日(大幅 -3.95%) | 20%(1/5件) | 地合い急落時は個別材料が機能しにくい |
観察: 日経平均の下落幅が大きいほど個別銘柄の上昇が妨げられる傾向があります。ただしサンプルが少なく、これが本当にパターンとして成立するかはデータ蓄積が必要です。
第3章: プロンプトの最近の改善
実験ルールは検証データに基づいて随時更新されます。7月30日付で追加されたルールを紹介します。
追加ルール(7/30): 直近1〜2営業日以内にストップ高または+15%以上の急騰をすでに記録している銘柄を新規順張り候補とする場合は、反動安リスクが高いため選定を避けるか、選定する場合はリスクを明記すること。
背景: 大黒屋HD(6993)が前日+18.82%急騰した翌日に-7.00%と大幅反落した事例、フィーチャ(4052)がストップ高翌日にストップ安(-19.95%のギャップダウン)を記録した事例など、複数回にわたって急騰後の反落が確認されたためです。
第4章: 7月30日(木)の選定銘柄と材料背景
本日の外部環境(全銘柄共通の前提)
本日の東京市場はリスクオフ環境です。米国株(7/29)はNYダウが▲2.19%(-1,153円)、ナスダック▲1.74%と急落。背景はイランによる米軍基地攻撃を受けたトランプ大統領の報復警告、AI大型投資への信用リスク懸念、FOMC後の長期金利上昇観測です。日経225先物(大阪夜間)は前日比▲1,410円(-2.25%、61,040円)まで下落しており、寄り付きのギャップダウンリスクを全銘柄で共通して考慮しています。
低位株ユニバース(単元10万円以内)の5銘柄
| 銘柄名 | コード | 主な材料 | エントリー目安 | 利確目安 | 損切目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 冨士ピー・エス | 1848 | 令和8年熊本地震(推定M7.1)の復興関連思惑買い。PC工法が主力で過去の熊本地震でも復旧工事実績あり | 683〜700円(押し目)または737円上抜け | 737円→750〜770円 | 681円割れ |
| 中山製鋼所 | 5408 | 国内鋼材市況の値上がり(H形鋼価格上昇)を背景とした鉄鋼セクター全体への物色。PBR0.33倍と解散価値割安水準 | 650〜665円(640円割れは見送り) | 662〜665円→680円前後 | -3〜5%目安(637〜624円) |
| スマサポ | 9342 | 2026/7/21の岩谷産業との戸建て領域への事業譲受・業務提携発表が直近最大の材料。直近1週間+8.1%上昇の余韻 | 860〜898円(858円割れは見送り) | 930円→950〜1,000円 | -3〜5%目安(858〜840円) |
| リリカラ | 9827 | 高配当利回り5.75%の割安内需株。壁紙・カーテン・床材が主力のインテリア卸大手 | 619〜632円(611円以下は見送り) | 635〜640円→650円 | -3〜5%目安(613〜607円) |
| マイクロ波化学 | 9227 | 2026/7/28の開放空間マイクロ波技術特許出願発表を受けた思惑買い。前日+12.85%(ザラ場ストップ高)の急騰後であり反動安リスクが相対的に高い | 920〜950円(大幅上放れは見送り) | 967〜971円→1,000〜1,050円 | -3〜5%目安(902〜885円) |
注記: マイクロ波化学(9227)は前日にストップ高相当の急騰を記録しており、本日のプロンプトルール追加基準(直近急騰後は反動安リスク高)に近い位置にあります。上記の通りリスクを明記したうえで選定しています。
広範囲ユニバース(単元100万円以内)の3銘柄
| 銘柄名 | コード | 主な材料 | エントリー目安 | 利確目安 | 損切目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| カプコン | 9697 | 2026/7/28発表の1Q決算が大幅増収増益(営業益+66.9%、通期予想の49.5%を1Qで消化)となりストップ高 | 3,950〜4,100円(押し目)。寄り付き高値圏は見送り推奨 | 4,300〜4,400円 | 3,800円割れ |
| 全保連 | 5845 | 2026/7/29発表の来期(2027/3期)最終益+62%の大幅増益計画。配当も40円→54円への増配計画 | 1,080〜1,120円 | 1,145〜1,200円 | 1,010円割れ |
| デンソー | 6902 | 自動車セクター全体高(トヨタ+7.18%、SUBARU+6.29%等)に加え、前四半期が過去最高営業益。7/31に次回1Q決算発表を控える | 2,120〜2,160円 | 2,210〜2,260円 | 2,090円割れ |
第5章: 選定プロセスの注意点と実験の限界
この実験には以下の構造的な限界があります。
情報のタイムラグ: 分析に使用するWeb検索データは取得時点のものであり、実際の寄り付き時刻までに数分〜数時間のタイムラグが生じます。材料の状況が急変した場合には対応できません。
取引コスト未考慮: 表内の価格水準はすべて手数料・スプレッド等の取引コストを考慮しない理論値です。特に単元10万円以下の少額取引では、数%程度の値幅では取引コスト控除後に利益がほとんど残らない、あるいは損失になる可能性があります。
サンプル数の限界: 現時点の有効検証件数は低位株15件・広範囲9件と、統計的な結論を出すには不十分です。的中率・平均リターンの数値はあくまでも参考として読んでください。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。掲載しているエントリー・利確・損切の価格情報は、AIによる株価予測実験の検証用データであり、実際の投資判断に使用しないでください。投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。本記事の内容には将来の運用成果を示唆・保証するものは一切含まれません。
参考情報源
- 株探(kabutan.jp)市場ニュース・上昇率ランキング・個別銘柄データ(2026/07/29 16:00時点)
- みんかぶ(minkabu.jp)個別銘柄ページ・株価診断・目標株価(2026/07/30早朝時点)
- Yahoo!ファイナンス・IRBANK・各社適時開示・IR情報
- 日本経済新聞・ロイター・株探ニュース速報